最近では3Dモデルを無償で配布するなどして、ウェブマーケティングに活用されることも増えてきました。今回は3Dモデルを活用したプロモーションやサイトなど、参考になる事例をまとめてご紹介します。
3Dモデルには2つのタイプがある
製作される方法によって、3Dモデルのタイプを分類することができます。まずひとつが、ゼロから3Dモデルを作成する場合。これはキャラクターの画像など、2Dで存在していた物から3Dモデルを作成する方法です。
- キャラクターの3Dモデルを作成し、フリー素材として配布する
もうひとつが既に実物として存在する物から3Dモデルを作成する場合。主に3Dスキャナーを使用して作成されることが多い3Dモデルで、実物をよりリアルな形で3D化し、たくさんの人に見てもらう、触れてもらうことを目的として作成されます。
- 展示物の3Dモデルを作成し、ウェブサイトで公開する
それでは実際に3Dモデルを活用している事例を見ていきましょう。
スミソニアン博物館
スミソニアン博物館が運営するウェブサイト「SmithonianX3D」では、実際の展示物を3Dで閲覧することができるようになっています。さらに3Dモデルは無料でダウンロードも可能で、3Dプリントをして形にすることもできます。
展示物を3Dスキャナーでスキャンして作成した3Dモデルは本物さながら。3Dモデルを公開しているのは、遠くに住んでいてなかなか行くことができない人は、これを見て思いを馳せ、博物館に興味のなかった人も、行ってみたいと思ってもらうように期待しているからです。
NASA
宇宙開発を行うNASAも3Dモデルを掲載、配布しています。運営するウェブサイト「NASA Recourses」には隕石や衛星といった宇宙に関連する3Dモデルが公開されています。大阪万博で月の石が大きな人気を博しましたが、いまや簡単に3Dで見ることができるようになりました。
サンフランシスコアジア美術館
この美術館は参加者が展示物を3Dスキャンできるイベントを開催し、話題を集めました。参加者が一眼レフやiPhoneなどを使い、フォトスキャンを行い、展示物の3Dモデルを作成。ユーザーたちは3Dデータ共有サイトで作成した3Dモデルを無料配布しました。
参加者たちは作成した3Dモデルを3Dプリンターで形にしたり、3D編集ソフトで形を変えてアレンジしたりと様々な方法で美術品を楽しみました。
オリンパス
カメラメーカーのオリンパスはHACK&MAKE PROJECTと称し、ユーザーがカメラのアクセサリーを自由に作れるようにするため、本体の3Dモデルを無償で配布しています。
本体の3Dモデルがあることでユーザーはアクセサリーの3Dモデルを作成しやすくなります。自由に手軽にカスタマイズできる環境を整えることで、商品本体の価値を高める狙いがあります。
二次創作で露出を増やす、ユーザーの体験を高める
3Dモデルの活用の狙いはこの主にこの2点が挙げられます。
3Dモデルを素材として提供し、ユーザーの創作活動を支援することで、生み出された作品がウェブに投稿されて露出を増加させる狙いと、ユーザー自身が自由に閲覧できたりカスタマイズできるようにすることで、楽しみ方を増加させ、商品自体の体験を向上させようとする狙いです。
博物館にある実物を3Dモデルとして配布すれば、現地に行かなくても作品を見ることができる。破損を気にすることなく、自由に好きな角度から眺めることができる。デジタルならではの体験を世界中のユーザーに届けられる可能性を持っています。
3Dモデルをマーケティングに活用するケースは少しづつではありますが増加傾向にあり、これからも多くの事例が登場してくることでしょう。3DプリンターやAR.VRなど、「3Dモデルが使える場所」が普及することで、この流れはより一層強くなると思われます。
Comments are closed.