3Dプリンターで作りたい物はありますか?私たちはフィギュア、アクセサリー、模型、パーツなどなど。これまで数多くの「物」を作ってきました。
3Dプリンターの知名度が高まるにしたがい、あれもできるんじゃない?これもできるのでは?と、創作意欲を刺激されるクリエイターさんも増えているようで、これまで温めていたアイデアを現実の物にしてやろうという動きが感じられます。
そこで今回は、これまでに3Dプリントサービスを利用したことがない方や、3Dプリンターでオーダーメイドの依頼をしたことがない人に向けて、どんな風に料金が設定されるのかを解説していきます。
この記事を見ることで、どういう経緯で料金が設定されるのかを理解できますので、自分が依頼しようとしている物のおおまかな料金を計算したり、節約するためにはどうすればいいのか考えることに役立てていただけると思います。
1. 料金 = 3Dデータ制作 + 3Dプリント
結論から申し上げますと、料金はこのように決定されます。
まず、3Dプリントに必要な3Dデータを制作するための料金。写真から制作する場合やイラスト、2D図面から制作する場合など、制作する物や、それの元となる資料によって料金が変わります。
3Dデータがなぜ必要なのかについては以下をご参照ください。
次に3Dデータを3Dプリントする料金が発生します。
プリントする物の大きさや、使用する素材によって料金が算出されます。
それぞれについて掘り下げて見ていきましょう。
1-1.3Dデータの作成料金
3Dプリンターで何かを作る際には必ず3Dデータが必要です。オリジナルの何かをプリントしたい場合、オリジナルの3Dデータを作る必要が出てきます。
もし仮に自分で3Dデータが作れるのなら(もしくは友達に頼んで作ってもらえるなら)、3Dデータの料金はかからないことになります。
大半のケースでは、ご自身で3Dデータを作成するのは非常に難しいため、プロにお願いして作ってもらうことになるでしょう。
3Dデータの作成料金は以下の3つで決定されます。
- 制作する物の難易度
- 元となる資料
- 納期
それぞれについて見ていきましょう。
1-1-1.制作する物の難易度
これは単純な話ですが、作る物が難しければ難しいほど、料金は高くなります。どんな物が難しいかはスキルによってばらつきがありますが、例をあげるとすると、
- 完璧にそっくりな芸能人の頭
- 細部にまでこだわった実車と瓜二つのミニチュア
- 優雅になびくタテガミが表現されたライオン
これらのように、細かくて職人芸を必要とするような3Dデータは工数が多くなるため、必然的に料金は高くなります。
それではどんな物なら料金が安いのか。
- シンプルなデザインのキャラクター
- 複雑な機構の少ない図面
- フルカラー3Dプリント用の動物のフィギュア
これらのケースは比較的安価に作成することができます。
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シンプルなキャラクターの例
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同じ動物でもフルカラー3Dプリント用の3Dデータは比較的安価に作成することができます。フルカラー3Dプリンターで造形をする場合、破損を防ぐため細かな装飾は省くことがデザインのルールとして設定されていますので、簡素な3Dデータが求められるため工数を抑えることができるのです。
1-1-2.元となる資料
3Dデータを作成する場合、だいたいは以下の資料から作成します。
- 撮影した写真
- イラスト
- 図面
- 実物
大きく分けるとこの3つです。
写真は画質が高いことと、枚数が多いこと。イラストは前後左右が揃っていることや、画質が高いこと。図面は機構が簡素であること。実物も同様に簡素であること。
これらの条件の場合、そうでない場合に比べると料金が安くなります。
写真が少ない場合や、イラストが正面しかない場合、機構が複雑な図面の場合などは、そもそも依頼をお受けできなかったり、料金が高くなるケースがあります。
制作する対象物だけでなく、それの元となる資料も価格に大きく影響しますので、ご依頼をお考えの場合には資料を少し工夫するだけで料金を安くできるかもしれません。
1-1-3.納期
これは言わずもがなですが、短納期の場合には料金が上がります。
相談ベースでもいいので、前もってご連絡をいただいておくと事前に準備を整えられるケースもありますので、納期の対応もできるようになる場合があります。
1-2.3Dデータの修正
ここで注意したいのが修正料金についてです。
Mikanで仕事を受ける場合には、微調整など細かな修正に関しては追加の料金が発生しないスタンスを採用しておりますが、大幅なデザインの修正については、追加料金が発生してしまいます。
場合によってはゼロから作り直さなければならないケースもありますので、「こんなはずじゃなかった」という事態にならないためにも、事前に目的の共有を行うことが重要です。
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Mikanではご依頼を頂く際に、3Dデータ作成の目的や利用シーンなどを詳しくお聞きして、目的の共有を行ったうえで作業を開始しておりますが、これは目的共有が不十分であることによって発生する、作業開始後の変更による追加料金を防ぐためでもあります。
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1-2.3Dプリント料金は体積×素材
次に3Dプリントの料金について見ていきましょう。
3Dプリントの料金は材料費によって算出されます。
プリントする物の体積に、使用する素材の料金をかけた物が3Dプリントの料金になります。
大きさと使用する素材によって料金は大幅に変わります。
高さ10cmの人のフィギュアをプリントする場合で比較してみましょう。
- フルカラー石膏:約8000円
- プラスチック:約6000円
- ステンレス:約30000円
- シルバー:約80000円
このように使用する素材によって料金が変わってきます。
素材について理解しておけば、3Dプリントの費用対効果を最大化することができますので、以下の記事を参考に最低限の知識を身につけておくと役立つかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。3Dプリンターを使ってオリジナルのアイテムを制作しているところは大体こんな感じで料金を設定しています。
3Dプリントサービスを依頼する際には、
- 3Dデータの作成方法と元となる資料
- 制作する目的の共有
- 3Dプリントの素材と体積
これら2点を工夫することで費用対効果を最大化できるでしょう。
料金を節約する方法をご覧になりたい方は以下も合わせてご覧になるといいでしょう。
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